3.IPO配分についての法改正--当たりやすくなったか?当たりにくくなったか? 3-1

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
--IPO配分についての法改正--

「各社基本方針を明確に・・・」
完全抽選枠も拡大!!
資金の少ない個人投資家にチャンス到来?
当たりやすくなったか?当たりにくくなったか?
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

1988年、メディアは「リクルート事件」一色で大騒ぎだった。

リクルート・コスモス社の未公開株が、
マーケット公開前、大物政治家にばらまかれていたことが発覚した。
会社を政治的・財界的に地位を高めようとして配った先は
政治家・官僚・NTT・金融機関など広く関係者に渡った。

もちろん値上がり確実なものだ。

その後、裁判は13年も続き、政治家の一部も起訴された。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
かつては、既得権益者やビジネスパートナー(関係会社の経営幹部)に
新規公開株を配分するのは、常識だった。

この事件がきっかけで、新規公開株の配分を見直すよう、
世論の高まりもあり、入札制度を改正し、
1997年9月ブックビルディング制度を導入した。

つづけて、日本証券業協会において1997年に

●「公平な配分」
●「配分の基本方針の策定及び公表」を指導してきた。(平成9年8月8日:理事会決議)
内容は、日本証券業協会のサイトにて。
http://www.jsda.or.jp/

しかし、ブックビルディング制度は、
国際的にも市場と整合性がとれる制度といわれているが、
ほぼ、すべて上限で決まるIPO環境では、まったく意味がない。
上限(最高額)で決まらなければ、不人気銘柄と判断され、
ブックビルディングのキャンセルを誘発する影響もある。
とても市場メカニズムとの整合性が取れているシステムとは言えない。
─────────────────────────────────
「公平な配分・・・云々・・」という指針は、2006年、突然言い始めたこと
ではない。IPOバブルが始まるずっと前から、言われ続けてきたことだ。
──────────────────────────────────
配分方法は、証券会社の(社内規定)自主ルールレベルでしかなく、
明確な罰則もなかった。

流動性向上を目的に、最低投資額が日に日に下がっていったこともあり、
入札制度時代と比べると、庶民でも参加しやすい額になったが、
配分方法は相変わらず
透明性に欠け、結局、個人投資家には行き渡らず、
旧来と何も変わらなかった。

当時から完全抽選枠を設けて、厳正に抽選している"マジメ"な証券会社も
わずかにあった。比較的銀行系列の証券会社は厳格だったと思う。

しかし、配分方針を明確にせよという通達は、
詳細に「各社、完全抽選枠・配分優先基準まで明確に公開せよ。」
というがんじがらめの指針だ。

 お互いビジネスだ。突然来た顧客に、ほぼ元本保証され、
数百万も得するIPOを、いちげんさんにポンと渡す理由はない。

優良顧客へ渡して当然だ。ここは資本主義だ。
金となれば不平等だ。配分に関しては多少のルール違反、グレーゾーンの不正行為はある。
資本主義の元祖アメリカは厳しい。
信じられないほど重い実刑が下る。
日本はその点、金融犯罪に関しては甘い。緩すぎる。

IPOを個人が、担当営業のコネで不正に配分してもらったからといって、
不正でもなんでもない。
( 目次 1  3 )